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コマンドラインからこんにちは from 関島岳郎:2001-07-10


2001年07月10日(火)生き様の存在を認めるか?

 今日の朝日新聞の夕刊を読んで驚いた。「ほんパラ!関口堂書店」という本を紹介するテレビ番組を取り上げた記事で、番組で放映して売り上げが伸びた本の例として次のような記述があったのだ。

********(勝手に引用)*******
……6月に放送されたノンフィクション、天才鑑識官の生き様に迫った「指紋捜査官」(角川書店)や、記憶をなくした青年の手記「ぼくらはみんな生きている」(幻冬舎)は、いずれも放送翌日の売り上げが全国的に普段の10倍から20倍に跳ね上がった。
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 この文を書いた記者は、「生き様」という言葉をどのようにとらえて使っているのだろうか。言うまでも無く「生き様」という日本語は無い。あるのは「死に様」だけである。ここ最近「生き様」という言葉を耳にすることがあるが、あくまでも「生き様」という言葉が存在しないことを利用して、洒落で使っているものと思っていた。しかし、新聞の記事の中で、洒落る必要もない箇所でこのように使われているということは、普通の日本語の単語として市民権を得てしまったということか。うーん、どんなものだろう、ちょっと早すぎませんかねえ。言葉が時代によって変化するのは自然なこととは言え、出現してから数年で定着するとは。例えば、「全然」は否定を伴って使う言葉だが、最近は次のような使い方をされることが多い。

 例)近藤君より川口君の方が全然毛深いよ。

 しかし、この使われ方が定着するのに私の体感時間で20年はかかっていると思う。ラ抜き言葉に至っては、戦前から使用例があるようだが、今だに論争の種になっている。文法と単語なので比較しても意味は無いだろうが、それにしても「生き様」の定着は早すぎる。新語なのに新語らしくないところが気にくわないのだろうな。

 ちなみに僕は、否定を伴わない「全然」も、ラ抜き言葉も使わないようにしています。

[link:22] 2001年07月10日(火) 23:02


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