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新・のんき大将のごたく from 川口義之:2004-12-22


2004年12月22日(水)レコード屋めぐり昔話(更新)

久しぶりに1000枚くらいの中古レコードを
チェックしてたら、一番旺盛にレコードを聞いていた頃、
すなわち音楽雑誌を読んでいる頃にタイムスリップして
しまい失礼しました。

当時は1日中、中古レコード屋さんに入り浸り、
たとえば開店時間に一軒目を見始めてそこからはしご、
最後の店の閉店時間までチェックを続けるなんてのは
ざらでした。時はまだCDでいろんな再発が始まる前。
トッド・ラングレン、Dr.ジョン、レオン・ラッセル、
Pファンクやスライ、ジェームズ・ブラウン関係、
ルイ・ジョーダンやキャブ・キャロウェイあたりの
ジャンプ系(吾妻光良さんみたいな音楽ね)のブルース、
(なんとかどれも20枚くらいは集めましたが)
ニルソン、キンクス、アル・クーパー、ライ・クーダー、
ジョン・サイモン、ローラ・ニーロ、ガレージ・サイケ、
バブルガム、今でいうソフト・ロック、パブ・ロック、
ボンゾ・ドッグ、ピーター・アイヴァース、
デイヴ・クラーク・ファイヴやゾンビーズ、マンフレッド・マン
ジェフ・マルダー、ジョン・セバスチャンなどなど、
それはそれは手に入りにくかったのです。
たまに海外のカット盤、LPレコードの角を切ったり
穴が空けてある廉価版のバーゲンレコードのことですが、
そんなものが、外盤を扱っているレコード屋さんで、
一律980円、1200円なんてのがあったら真っ先に
飛びつきましたよ。
初めてアメリカ行ったときはスーツケースいっぱいに
レコードを買ってきたなあ。あまりの重さに、
自力で空港から帰れなくて当時わたしが同居していた
桜井さんに車で迎えに来てもらったのであった。
細野さんの「泰安洋行」見つけた時はうれしかったなあ。
ロイ・ウッドやサークルの封を空けて無い新古盤を見つけた
時の外盤のビニールの封を切る時のどきどきした気持ち、
まがいもののキャロル・キングの「シティ」しか持ってなかった
ときに、カラージャケットの本物を見つけた時、
同様にヤード・バーズのライブ盤もカラー盤を見つけたとき、
高かったのに思いきったなあ。
バーズ(米)の「プリ・フライト」やキンクスの
「グレート・ロスト・キンクス・アルバム」なんかもそうだ。
ザッパやビートルズのTMOQボックスとかね。

目の前で欲しかったレコードを人に買われた時の悔しさとか。
自分と似た趣味の人がまとめて中古で放出したと思われる
宝の山を発見したときや、
思いきって高い値段で買ったアルバムを別の機会に
激安で見つけて、思わずそれも買ってしまったり。
モータウンの再発LPがいっきに出た時は先輩に
これを聞かなきゃ話にならないなんて言われて
スーパーマンのコスプレ・ジャケのマーヴィン・ゲイとか
各アーティストの名盤をまとめて買わされたり、
そのあとでオリジナルのアルバムを発見して聞いたら
音圧が段違いでびっくりしたり、
デイヴ・クラークもオリジナル盤は凄かったな。
元L/Rの黒沢兄弟(デビュー前)や四人囃子の岡井さん
なんかとそんな話題で盛り上がったものです。
自分の大学の中古盤セールでソウル、R&Bの廃盤を山ほど
見つけて全財産叩いて、3回に分けて手持ちで家まで
持って帰ったり、
これいいなって思ってお店で流れていたレコードを買おうと
したらもう在庫切れでお店の人の私物だったりして今でも
悔しかったり(ちなみに場所はパイドで、ものはカナダか
オーストラリアのCBSで独自に編集されたオムニバスの
シリーズの中の、たしか60年代末期ものの2枚組)、
渋谷のハンターを、現在は良心的な音楽ライターをしている
先輩に初めて教えてもらって安シングルを買い漁ったり、
公演通りにあったディスク・ユニオンで小西先輩にばったり
あって、その時自分が手にしていたピンク・フロイドの初期
の地味目な作品を、それいいよって言われたのが意外だったり、
ロサンゼルスのフリーマーケットでフラッシュ・ディスク・
ランチの椿さんとばったりあって自分の持っていたレコード
(たしかジャック・マクダフあたりのレア・グルーブもしくは
オルガン・ジャズってやつか)を見せたら、
下北のお店で彼が販売してる値段と変わんないってことが
その場でわかってがっかりしたり、
そんないろんな出来事を急に思い出しました。

雑誌に書かれている、これが名盤なんてものや、
元ピチカート5の高浪さんや、鴨宮さん、
現ロンサム・ストリングス主催の桜井さん等、物知りな
数十人の先輩たちや、研究心、競争心の激しいお年頃の
同期の連中や後輩から薦められたLPを買い集め、それを
朝起きてから疲れて寝てしまうまで休み無く聞き続けた、
毎日が暇で仕様がなかった時期。
というより、知らない音楽があってはいけないような
追いつめられた感覚もあったように思います。
それで音楽雑誌を読みふけって研究ってわけです。
もちろんピチカート、フリッパーズともに結成前夜の
出来事。パイド・パイパー・ハウスも健在でした。
その後芽瑠璃堂、タワーのレコード売り場、六本木WAVE、
最後の砦、パイドなんて大好きな場所が次々と閉店。
ハンターも知らないうちに姿を消してました。
もはや馴染みの店はユニオンとレコファンくらいか。
わたしの収集熱も次第に消え行くことに。
外資系のCDショップが情報の発信の中心になっていくとは
全く思いも寄らなかった頃のはなしです。

さて、今では雑誌に出てくるバンドの名前の1パーセントも
知らない体たらくですからなんとも情けない。
ただそんな時期があったこともあり、音楽の紹介が
本業の方には頑張って欲しい気持ちが強いですね。
発売されるカタログ数が莫大なだけに、しっかり
いいものを紹介して欲しいです。

たとえば、最近は聞く習慣が無くなってしまいましたが、
かつてはピーター・バラカンさんや山下達郎さんのラジオで
いろんな情報をまめにチェックしたものです。
いまでもカセットテープからカセットテ[プにダビングして
好きな曲を集めたものが段ボールいっぱいありますよ。
先日出演させていただいた田中さんの深夜のラジオ番組や
NHKの佐藤さんのライブ番組なんかも素晴らしいですね。
やはりまめにチェックしたりしているわけではないですが。

しかしCDにおける名盤復活の流れも20年ほどかけて
熟成しましたね。久しぶりのレコード屋さんで
あんなものも、こんなものも出ていて興奮しました。
それも1400円とかで新品が買えてしまうんですね。
あのころの苦労はなんだったのだろう。
おまけに試聴までできてしまうとは…。

ところで、昨日探しに探した資料ですが、CD
3枚、3バージョンを駆使してなんとか無事役に
立ちました。昨日もこんな文章を書いてたりした
おかげで準備が遅れて、本当はもう1つ確実にやって
おきたかった、自作の提出が間に合わなかったのが
心残りです。また来年まで駒沢さんに演奏していただける
機会はないでしょうしね。
自分の楽曲を、このような贅沢な演奏者に(手前味噌?)
演奏してもらえる機会をみすみす逃すべきじゃないですね。

クリスマスライブで演奏できる曲数はせいぜい30曲ほど。
絞り込むのが大変です。
今年は2日間続きなだけにじっくりいい演奏を聞かせる
ことができそうですね。気の置けない友人など誘って
一度は見に来てくださいな。
今後10年続けてもあと10数回しか巡り会えない機会ですよ。

[link:83] 2004年12月23日(木) 04:12


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