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新・のんき大将のごたく from 川口義之:2004-07-21


2004年07月21日(水)五日間を振り返る

いやあ、始まっちゃえば終わるものですね。
事の始まりは、わたしが10周年を迎えるに
あたり、ライブをやりたいと言い出したことで、
それもマンダラ2で5日間はどうだ!と大風呂敷
ひろげたことからすでに、事態の混迷は目に
見えていたわけです。

わたしは、自分が演奏するよりも人の演奏や
舞台や、出来事を見ているほうが好きな性質で、
ここんとこ、ある規模以上の場所で、
そこに見合っていない内容の出し物を見ることに
絶えられなくなってきていました。

あえて名指しで書きますが国際フォーラムで見た
ブライアン・ウィルソンや東京ドームのストーンズ、
文化村オーチャード・ホールで見たリッキー・リー・
ジョーンズ。古くは、サントリーホールの
ティト・プエンテとセリア・クルーズ、
奇しくも先日栗コーダーで演奏した人見記念講堂
で見たライ・クーダーとデビィッド・リンドレー
など、音楽のディテールがまったくわからない
それは音楽ファンにとって最悪の空間でした。

もちろん、一番前の席で見ていた人には極上の
空間だったでしょう。招待席で優雅に観劇の評論家さま
のライブ評も問題なし。でも、それってどうなのか?

アコースティックな内容なものを馬鹿でかい
会場で、中途半端な音響システムで行うこと。
それは、いったい誰のためのものなのか?
ある程度集客を見込まないと採算が取れないのは
我々規模のライブでも同じだが、無理にも
限度があるだろう。
せめて自分たちで行うライブでは快適にいきたい。
それが目標だったわけです。

今回は座席数を70に限定してみました。
5日間行うことにより、見ることに対して
ちょっと頑張る人にはすべてチケットが行き
渡ることを目標にしてみました。

わりと開催日近くなってから欲しくなる人も
いるだろう。
追加販売を7月にはいってからにしてみた。

子供と一緒に見たい人もいるだろう。
そんな日も作ってみた。

当日にならないと、どうにも予定の組めない
人もいるだろう。
当日券を出すために前売りを少なめにしてみた。

そんな細かい工夫をしていくことに莫大な時間
を費やしてみた。
多分マンダラ2にひと月のうち15日くらいは
通ったかもしれない。

細かい打ち合わせのための通信費は数万円にも
なった。でもこれは自分が、こんな環境でライブ
を見たかったという、理想を実現するためには
やむ終えない代償だと感じていた。

ひとつ問題があったとしたら、本来演奏を
しっかりするために使うはずだった時間を消費
してしまったこと。

ライブの当日までには、いろいろな出来事が
変化していった。

映画クイールのヒットによって、テレビ番組の
出演が決まり栗コーダーのリハーサル用の時間
に食い込んできたこと。

映画クイールのヒットによってベスト盤発売の
話が持ち上がり、その製作のために莫大な時間
が必要となったこと。

10周年用のグッズを作ろうということになり、
楽譜集を作るために莫大な時間と労力が必要に
なったこと。

わたしが、5日間のライブを利用して、
ライブ録音をしたいといいだしたこと。

さらに、わたしが映像を残したいということで、
撮影班を会場に導入したこと。
この二つが緊張を呼ぶんだよなあ。

さまざまな要因によって、なんだか
いつものように中途半端な演奏と、
案外しっかりした演奏の混在する定番の内容と
なってしまった。

毎日深夜まで楽しく打ち上げもしてしまったし。
(毎日やってくるゲストの方が楽しくってね)
毎日疲れが溜まっていくのが、はた目にもわかったそうな。
実はわたしは自分では気付かなかったんですが。

ドキュメントとしてはかなりのものが
披露されたように思う。
こんなに喜怒哀楽がステージに現れることも
めずらしい。

4人の世の中に対する立ち位置までが浮き出てくる
ような映像が焼き付けられただろうか。
ビデオだから焼き付けられないんだけどね。

8月9日は、我々にしては丁寧な演奏が
披露されることになると思いますよ。

次回は本番直前まで招待者リストの確認を
したりなんてことはしないで、演奏に集中
するつもりですので。

毎日のゲストのみなさんにも諸連絡など、
段取りが悪かったと思います。
いくつか指摘もされました。
反省しております。
マネージャーなどいないことを言い訳にしない
明確な進行をめざしていながら、申し訳ないです。

でもいくつか収穫はありました。
あまりの忙しさにスタッフ募集をしてみたら、
いい感じの方々が集まりました。
お酒の好きな人も増え、打ち上げが更に盛り上がってます。
そして、イトケン、寒空はだか、
酒井家のみなさん、エンジニアの小俣さん、
撮影の岩下さんたち、マンダラ2の店長中野さん、
浅井くんを中心としたみなさんの、
自主的な協力などに助けられ。
感謝の気持ちでいっぱいです。

たぶん、来年以降はまたいつものなんとなく
やってるんだか、やってないんだかっていう
ペースに戻ると思うんだけど。
この5日間を中心とした出来事による財産を
大事にしながら次の10年をすごしていきたいと
考えております。

[link:81] 2004年07月23日(金) 14:53


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