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日曜カメラマンの修行時代 from 栗原正己


2002年11月05日(火)これまた一段と冷え込みがきびしくなって、冬か。

 夜、外出するのにダウンのコートを出してしまった。冷えますなあ。

 昨日、かわせみ座「残照」の公演がすべて終了(栗コーダー関連から観に来てくれた方々もいらしたようで、嬉しいかぎり。ありがとうございました。もちろんそれ以外の方々も)。今回の仕事は初めてづくしでそれなりに苦労もしたのだけれど、いろいろな面で大きな収穫があったなあ。すぐ忘れちゃうので、覚え書き程度にここにメモしておかないと。

 まず同じ演目が7回もある、ということで、普段味わえない何かが味わえる。例えば今までリハーサルで気にもせずに演奏できていた曲のある部分が本番になって急に出来なくなる。なんてことがあって、それは何が原因かを7回かけて探れたりするわけです。
 思いつくままに書くと、譜面台の角度(特に重要。ナナメに見るとリハでは大丈夫でも本番でミスの確率が上がる)、高さ、譜面への書き込みをどの筆記用具で行なったか、ピアニカ本体と自分の耳との距離(離れると強く吹いてしまう。低域で強く吹き過ぎると音が出なくなる。顔を楽器に近づけると少しはマシ)、余った息の逃がし方(今回4回目くらいでピアニシモが吹けるようになった)、足下のエフェクトのペダルの角度とマイクとの位置関係(何故かリハではどんな角度でも大丈夫なのだ。照明の明るさとも関係があることもわかった)、自信のないフレーズでも思い切ってやってしまう気合いのもち方、本番前のステージの暗さ、その中で青い電球のみを見ながら2〜3分待つこと、その後演奏中に本格的な照明が自分たちに当たった時の動機の高まりの押さえ方(強い照明が原因で演奏がおぼつかなくなくなることって、案外あるのだなあ…)、首や肩の血行のぐあい、呼吸のととのえ方、本番前に運指練習(普段してないものだから急にやってもどうかなあ…とか)をどれくらいしておくか、食事の質や量それとタイミング(空腹と時の方が集中力が続くようだ。いまごろわかるか?)、とか、きりがないくらいいろんな事が、ほんのちょっと手がかり程度にだけど見えた気がする。普段からライブ回数の多い根っからのミュージシャンの人はこんなようなことを長い間のライブ経験から、自然に体得しているのだろうなあ。なんて思ったり。

 で今回の演奏メンバー。3人以内でお願いします。ということで、最初の打ち合わせの時の思いつきで、曲を作る前、どころか台本もこまかく決まっていないうちにイトケンと斉藤君に決めてしまった。今思えば、音符に書かない部分を二人のセンスで埋めてもらおうと思ったんだな。3人だといつでも何かが(例えばベースとか)足りなくて、もうひとりいれば格段にやり安かった筈で、楽団のみんなには苦労かけました。特に斉藤君には負担が大きかったと思う(すまん斉藤君。文句も言わずよくやってくれてありがとう)。僕も含めて舞台音楽の初心者だけでやったわけだけど、結果として予想以上ににうまくいった。やった。

 曲作りはけっこう苦労した。セリフがないので、音楽でいろいろなことを説明する必要があったので、ライトモテチーフ的にいくつかのことがらや登場人物にたいして、フレーズを割り当ててみたり。ちょっとベタかな、と思いつつ、これは問題ないこと。
 ある日の通し稽古のビデオを見ながら曲作りをするのだが、ふだん映像がらみの仕事が多いせいか、入り込むとその時の映像にぴったりに作ってしまってこれがいけなかった。収録した時からは時間が経っていて気分や動きが変化(進化)している上に、ビデオじゃないんだから1つのシーンが毎回同じ秒数になんてなるわけがない。最初の音楽入り稽古の時に数曲やってみたのだが、動きと全然合わなくて、そりゃそうだよなと、大きく反省。ゆるく合わせられるようなシステム開発とそれに見合った曲の作り方に変更(リハーサル後の飲み会とも言える音楽打ち合わせが大きく役立ちました)。

 曲は、構成の決まっているもの(演者が音に合わせる)と、大まかにしか決まっていないもの(演者を見て音を合わせていく)の二種類で、特に後者はパフォーマンスに合わせて毎回ちがった演奏、楽曲になっていくのが自分でも興味深かった。
 ただ、きっかけ合わせは意外に難しくて、じっさいの舞台でやってみないと、照明のぐあいも自分の位置からの人形の見え方もわからないものだから、初日から3日目くらいまでは、脳内の、普段と違う部分がものすごく緊張した(他の二人もそうだった。ここか!と思って楽器構えて、あ、まだだったとそのまま5分とか…笑)。一度全体を把握してしまえば、あとはけっこう楽しい作業だった。ピタッとはまった時のうれしさは何とも言い様がない。

 それと楽器編成。生音中心で行けると思っていたのだが、いざやってみると、人力で動かすそのからくりも見えている人形のうごきに対してのんきな笛や太鼓の音じゃあ、あんまりストレートで、やや暗めのトーンのこの話には全然合わなくて、ここでも作戦を変えないといけなかった。さいわいメンバー二人ともたまたまつまみ類(シンセやエフェクト)が大好きなタイプの人間だったので、これはほんとうに助かった。まずしなきゃいけないことは、音による非日常的な空間の設定だったのだな。
 そうしていくつかの曲は、静かなノイズと身近にある生楽器という二層構造のものになっていった。2台のループサンプラーとCDJはこの間をとりもつ重要なアイテムだった。終わって考えると、これって操られる人形と人形師がそのまま舞台に上がり同列に演じるというこの話そのものと相似形だったのか、みたいなこじつけもできてちょっと楽しくなった。

 とりあえず音のことだけ書いたけど、他にもいろいろあって、また書いておきたいのだけど、時間は早くすぎていくから無理かも知れないなあ。

 同じ場所に一週間通う、っていうことはふだんはまず、ないわけで、それもなんだか学校に行くみたいで楽しかった。会場はあまり人気(ひとけ)のない人工的な場所にあったのだけど(休日の夕方なんて近代的な空間にある殆どの店は閉まっていてさー、冷たいビル風が吹き抜けてそりゃあもう廃虚、とか死の町に近いイメージですよ…笑)、それでも天気のよい昼下がりはとてもすてきで、昼ごろ楽屋に入って一服してから階下のコーヒーショップで本日のコーヒーなんか買って、今日のは酸っぱくていまいちだ、とか言いながら、そろそろ音出ししますか、なんて調子の毎日で、なんか良かったなあ。呼んでくれたかわせみ座のみなさんと白玉さん、お世話になったスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。

86.jpg 666×457 (original size)

あまりにひさしぶりに画像。ほんとうはここ数日のものを出したいのだけど、まだ焼いてないのでちょっと前のものを。自宅の踊り場からコンパクトカメラでネガフィルムで紙焼き。

[link:86] 2002年11月06日(水) 07:17


2002年11月12日(火)CPUの出来

 15日の一噌さんとのライブにそなえて、ここんとこ毎日笛の練習をしている。しかし全然吹けるようにならない。いや、前の日よりはちょっとはできるようになっているかも知れない。でも昨日だったか一度、新しい曲の合わせをしたら、最終的なテンポが思ったより早くて全然ついて行けず、かなりへこんだ(以前やった曲も含めて、むずかしい曲のオンパレードなのだ)。もう一回お願いします、なんて言っても、個人練習ができてないから、できるわけないわけで、我ながら情けなや。苦笑です。
 それにしても一噌さんはなぜあんなに速く動くのか。まあ、積み重ねが違うってこともあると思うんだが、持ってうまれたCPUのクロック周波数が圧倒的にちがうんじゃないか。オレのCPUじゃ今のところ太刀打ちできないよー。
 まとにかく、やれるところまでやっとくしかないな。昔、なんかのマンガで、薬だかなんだかを飲むと、速度感覚が10倍くらいになって世の中がスローに見えて、敵のピストルの弾なんかを楽勝でよけられる、あ、よけただけじゃあ勝てないけど、どうだったっけ、なんてのがあった気がするんだけど、それ欲しい。


※かわせみ座や、6日のイトケン、斉藤君とのライブなどもろもろの感想、ありがとうございました。これからも精進します。

[link:87] 2002年11月13日(水) 05:25


2002年11月13日(水)トリオだ1

 一噌邸で初めて壺井さんと合わせをした。壺井さんだが、関島さんからも超絶技巧の方だときいていたので、勝手に人斬り以蔵とか、サムライっぽい人を想像してたんだけど、会ってみると全然違ってて(風貌のことはきいていないし、そりゃ今どきサムライっぽい人なんてなかなかいないでしょう)、温厚な方でなんだかなごみました(普段は。ステージはまだ知らない)。
 んで、バイオリン(ヴァイオリンが一般的のようですが、バイオリンと書くのが好きだ。しかしヴァイオリンの方がやはり普通な気がしてきた)、いやヴァイオリンは良いねえ! いや、ヴァイオリンが良いのと、今まで二人で2パートだったのが1パート増えた、っていう二つの要素が一気に増えて楽しさ倍増。この文、なんか変だが。
 壺井さんは低い音も出すんだけど、それがなんかガンバみたいでバロックな匂いがひじょうに良いです。低音があると吹きやすいね。つまり3人でトリオソナタが演奏できたりするわけで、自分がなかなか吹けない難しい部分が吹けなくても、まあいいか、なんて気分になるくらいの出来事で。といいますか、じつは練習の成果も少しは出ているみたいで、昨日のショボれた私とはなんか違う今日の私だ。
 しかし、吹けないフレーズがまだ吹けないのはかわりません(ごまかしAとごまかしBのどちらがマシか一噌さんに訊いたら、ここは盛り上がるところだから譜面どおり吹いて下さいと言われた…クプクプ…)もうひとがんばりせにゃ。テナーは右薬指がつらいのう。譜面読みで目もショボショボだ。あたためると良いらしい。


 おっと、でも本番では緊張するから50%くらいの演奏になるんだろう。無念。


※明け方書いているせいだけじゃないと思うが、タイプミスが多い。いかん。昨日のどこかの「早い」は「速い」だし、その前の「廃虚」は「廃墟」ですよね。そこそこ正しい単語を使いたいのだがなあ…。

[link:88] 2002年11月14日(木) 06:34


2002年11月14日(木)テナーリコーダー

 昨日の夜、テナーの裏側に「指掛け」をつけた。輪ゴムで消しゴムを止めただけだからものすごくかっこ悪いんだけど、これで速いフレーズの運指がずいぶん楽になる(できない部分はまだできない)。以前、あるメソッドで「指掛けはいかん」とあって、何となくそれを妄信してたのだけど、吹きやすい方がいいじゃん、って感じで、これまた一噌さんどうもです。先生!って感じです。

 しかしテナーは音程が難しいね。そもそもリコーダーは替え指と息の圧力で音程をコントロールするわけで、それは栗コーダーでもそこそこ大変なんだけど、こういう今やってるような音楽だと、音程の寛容度が狭いなあ(そんな考え方あるのかどうか。今思いついたのだ。この言い回し大発見かも)。
 オレの通常はヤマハの木管なんだけど、特にキビシイ。楽器としてはハズレの部類だろうなあ。だもんで、きょう一噌さんにヤマハのプラ管を借りてみたが、これが自分の木管よりも自分のプラ管よりも性能が良くて、高音域が裏返りにくて音色も良い。がしかし音程の制御が、その楽器個体に慣れてないとこれまた難しくて、つまり今までの木管の音程の感じに慣れちゃってたこともあって、道はけわしいのう。これから音程をちゃんととる特別の練習がひつようだな。あ、もう明日(正確には今日)本番ではないか。

89.jpg 716×489 (original size)

数日前に夕日のきれいな日があった。ってことを憶えておくために撮った。これよりもっとずっときれいだった。

[link:89] 2002年11月15日(金) 03:53


2002年11月15日(金)in F

ライブ終わってそのままお店でなごんで帰ってきたら、あららもう3時。inFのメニューはたいていのものが旨いのだけど、今日は豆乳とたまごの豆腐が特に。自分と食べ物の好みがまったく同じ人にはおすすめだ。

 内容は、だいたい予想どおりで、あちこちでポソポソしてしまったが、ま、準備はやれるだけやったから良しとしよう(やったってったって一夜漬けだからね。が、これだけはなんとかついて行こうと思っていた『ラ・パッサ・カスティーリア』で数カ所ダメだったのは悔しいなあ)。
 そのことを別にすれば、いやいや、じつに楽しかった。今回は壷井さんがいてくれたので、ずいぶん楽な気持ちでのぞめたってこと発見。自主的に不参加にした曲では、「一噌+壷井」の阿吽のデュオもきけたし(これが超阿吽なんだよ…笑)。
 壷井さんは音楽でもしゃべりでもじつにスマートに一噌さんに対応していてすてき。そこはまったく自分にはない要素で、属性からして違う自分はあんなふうにはなれないけど、そこにいろんなヒントを見た。
 あ、そうそう、前にも書いたけど、オクターブヴァイオリンなるものがあって、これがヴァイオリンのかたちなのにチェロのレンジの音がでるのよ。これまた前にも書いたけど、ガンバみたいな音で、これで演奏する通奏低音がじつにぐっとくる(演奏はしづらいらしい)。オレももっとバロックな吹き方をしたい、と思うようなね。

 ……てなわけで、懲りずに次回もブッキングしました。ジャン! 来年の1月23日(木)で、場所とメンバーは今回と一緒。今度は大好きな、テレマンのDmのトリオソナタをやれるかも知れない。これまたいい曲なんだな。それまでに楽器をなんとかしとかないと。それまでに演奏もなんとかしないと。
 

※ところで、近藤君のhttp://www.ka-ko.net/aakk/memo.shtmlで、デスクトップが散らかってるってのは、オレのこと?(それってオレのこと?それってオレのこと?♪=美男子拝見) でもあれは散らかっているのではありません、断じて。
 ちなみに私はどちらの本も読んでます(あ、この話題好きなんだなきっと>自分)。
 「捨てる!技術」は、何でも捨ててしまえ!と爽快ではあるがやや無責任と思え。たしか「超」をやんわり批判してたりもする。  
 その「超」は3巻あるね。これは半分実践してます(時間軸に関しては、やや『?』もある。が、書類をすべて角2の封筒に入れちゃう、ってとこがすごい。この方法、自分にフィット)。最近、同じ野口悠紀雄の「超文章法」ってのも買ったよ。「死に様」はあるけど「生きざま」はない、って書いてあるから信用できそう。かも。あ、でも絶対野口悠紀雄派ではないですよ。

[link:92] 2002年11月16日(土) 04:38


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