川口義之presents 
のんき大将のごたく
第4回
(10/4付)



 前回のあらすじ-------は前回にゆずるとして(前回を読みたいかたはこちら)
その日の集まりは写真など見ながらもり上がったのですがやはり共通意見は相当に危険な街らしいということ。数年前に親しい在N.O.者に聞いたところ、刑務所が足りなくて刑の軽い者を街に放り出した---とか、フレンチクウォーター の一画で(街の観光の中心部)極悪な殺人がおきて、それ以来警察がパトロールを強化している---とか。(実際10年前に根岸氏は私の目の前でかつあげされかかった。)

 先日トッドラングレンさんのトリビュートイベントを見ました。 本人も出演して、まことに上機嫌でいらっしゃいましたが(今回限りでもうライヴはやらないそうです)やはりハワイでの隠居生活がひびいていたか、途中で声からしてたり、ギターもおとろえていた様子でしたがあの幸せそうな顔を見たら、全てゆるしてしまえる程でした。  
 そーいえばトッドさん本人もいろんな人たちのカバーをして愛情を示しておられましたね。 そんな人だからこそ、他人からこんなリスペクトを受けていることがうれしかったに違いありません。そんな恩恵をこうむって私や青山陽一、青木孝明、カーネーションのみなさん等、トッドさんと並んで写真をとったりできたわけです。少し残念だったのは、家を出る時、まよったあげくにレコードを持ってくるのをやめたためにサインをいただきそこねたことですね。 とっておきの初期日本編集版「ハロー・イッツ・ミー」など持っていこうとも思ったけど何か自慢気な感じがしたからなー。(今書いているなら同じことか!)
 そーいえば上記の人たちはNRBQの来日の時もほとんど同じ状態で大もり上がりしてましたね。 みんなただのファンと化して目が輝いてました。そんな気持ちを持ち続けているみなさんと、その作る音楽はとてもイカしてます。一聴あれ。

 今年5月にニューヨークでDavid "Fathead"Newmanさんを聴きにSweet Basilというクラブに行きました。彼の名前は知らずとも音は多くの人が耳にしているはず。なぜならMaster Pieceを出しているころのレイ・チャールズさんのバンドでテナーサックスを吹いているひとだから。(ちなみにアルトorバリトンサックスはHank Crawfordさん)
 とても良い演奏で年を感じさせないGroovin'なものでした。終演後に彼の近作のCDを買ったところサービス精神の豊かな彼とマネージャー(奥様か?)はみずからのペンでサインはするは、いっしょに写真をとるはのいい調子。しかし私はついに「このCDを僕は日本で見たことが無い。」(それを手に入れられてうれしいの気持ちだったのだが)と言ってしまい彼らに聞き返されてしまった。自主流通に近い形なのだろうか。Herbie mann(Elジャスの大家)のレーベルらしい。
 もちろん彼の作品をレイ・チャールズのバンド時代とソロ作共にもっていると伝えた後の言葉だったのだが。(ブルージアナ・トライアングルのことも好きで良く聴いていると伝えた---連載Vol.1参照)しかし彼にとっては最近の作品が聴かれてないことは悲しいはずだ。レコード屋のコーナーでも昔の作品しか置かれてないとしたらがっかりだろう。 僕は中古や輸入のレコード中心にしているために見かけてないだけかも知れないということを伝えたかったのだがつたない英語力のため思いを果たせずに終わり、心残りである。そしてまたジェームズ・ブラウンさんのバンド出身のMaceo PerkerさんやRee Wee Ellisさん(いわゆるJ.B.Hornsですね)がそれなりに日本でも人気があることと比べる残念です。
 「私もサックスを吹いております。」と伝えたところ「Keep on Playin'」というありがたい言葉をいただきました。ほんの数日前に同じニューヨークのBlueNoteでトゥーツ・シールマンさんの演奏を聴いたのですが、たまたま前座(?)の人たちの演奏中にトイレに立った時にばったり会って、「私もハモニカを吹いております。」と伝えたところ(私はC調な奴)「Keep on Tryin'」というありがたい言葉をいただきました。
 とても深みのある2人の言葉であります。2人の老演奏家に通じるものは、ただ普通に良い演奏をし続けているという我々に気がつきにくい神業の持ち主ということでしょうか。あやかりたいものです。
 さて私が買った先程のCDの名は「Mr.Gentle Mr.Cool」というDuke Ellingtonさんへのトリビュート作品でした。彼もやはり先達への敬意を持った人なのですね。


以下次回へ。
(名前の表記は日本での知名度および私の好みで決めました)




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